はじめに

2025年10月にポートメッセなごやで開催された「日本木工機械展(Mokkiten Japan 2025)」において、株式会社スギイマシナリィが開発したロールコーター「セーフティスプレッダー」が、全展示機械の中から1台のみに授与される「日本木工機械記者クラブ賞」を受賞しました。

スギーマシナリロールコーター

PolishingHubでも以前、スギイマシナリィの技術について紹介しましたが、今回の受賞は同社が長年取り組んできた「塗る・貼る・接着する」装置技術の進化 が、業界から高く評価された象徴的な出来事と言えます。
展示会場でも、この機械は安全性と実用性を兼ね備えた装置として多くの来場者の注目を集めていました。

目次

  1. 記者クラブ賞を受賞した「セーフティスプレッダー」
  2. 「危険な機械」というイメージを変える挑戦
  3. 記者クラブ講評:「未来志向型の機械」
  4. 「塗る・貼る・接着する」技術の進化
  5. これからの装置開発に求められるもの

記者クラブ賞を受賞した「セーフティスプレッダー」

今回受賞した「セーフティスプレッダー」は、スギイマシナリィが長年培ってきたロールコーター技術 をベースに、作業者の安全性を大きく向上させる新しい機構を搭載した装置です。

ロールコーター

特徴は以下の通りです。

  • 作業中に万が一の接触を検知すると瞬時に異常を検知
  • 上下ロールが自動停止・退避
  • 巻き込み事故などの重大事故を未然に防止
  • 高精度な塗布性能と安全性を両立

ロールコーターは、塗布・接着・コーティング工程で広く使用される装置ですが、構造上、巻き込み事故のリスクがある機械でもあります。

セーフティスプレッダーは、そうした現場の課題に対し、安全機構を装置レベルで再設計した点が大きな特徴です。

「危険な機械」というイメージを変える挑戦

本機の開発背景には、現場の実体験があります。
スギイマシナリィ取締役の杉本悠輝氏は、過去にロールコーターで手を挟む事故を経験しました。

ロールコーター

その際、パニック状態となり、非常停止ボタンを押すことができなかったと言います。

この経験が
「同じような事故を一件でも減らしたい」
という開発の原点となりました。

そこで設計されたのが

  • 自動での緊急停止
  • ロール退避機構

という仕組みです。

人の判断に頼る安全ではなく、機械が先に危険を回避する設計へと発想を転換した点が評価されています。

記者クラブ講評:「未来志向型の機械」

審査を行った日本木工機械記者クラブは、今回の受賞理由について

表彰状

「ユニークかつ斬新で、未来志向型の機械」

とコメントしています。

特に評価されたポイントは

  • 現場の安全性を実践的に高める設計
  • 従来の機械構造に対する新しいアプローチ
  • 実用性と革新性のバランス
    です。

単なる新機能ではなく、製造現場の安全文化を一段引き上げる提案 として評価されたと言えるでしょう。

「塗る・貼る・接着する」技術の進化

スギイマシナリィは1949年創業の装置メーカーで、長年にわたり

  • ロールコーター
  • 塗布装置
  • 接着設備
    などの分野で技術開発を行ってきました。

小規模メーカーでありながら、現場のニーズを丁寧に拾い上げる開発姿勢を強みとしており、今回のセーフティスプレッダーもその思想から生まれた装置です。

スギイマシナリロゴ

同社の技術や装置については、以下のBrand Channel記事でも詳しく紹介しています。

これからの装置開発に求められるもの

製造装置の進化は、単に

  • 高速化
  • 高精度化 だけではありません。

近年は

  • 作業者の安全性
  • 現場の使いやすさ
  • ヒューマンエラー対策

といった視点が、装置設計の重要なテーマになっています。

セーフティスプレッダーは、その象徴とも言える機械です。

スギイマシナリィは今後も

「塗る・貼る・接着する」装置技術の高度化
を通じて、製造現場の安全性と生産性の両立を目指していくとしています。

スギイマシナリィ工場
スギイマシナリィ工場