1925年創業のマイポックス株式会社は、「塗る・切る・磨く」というコア技術を軸に、研磨材の製造から受託加工、環境ソリューションまでを展開する、精密表面処理のプロフェッショナル集団です。光ファイバー、HDD、半導体、医療、そして近年ではEVや生成AIデータセンターを含む先端領域にも進出し、次の100年を見据えた変革と挑戦を続けています。

マイポックス株式会社・鹿沼事業所写真・アイキャッチ画像

製品事業:研磨材から反射材、検査装置まで

マイポックスの製品事業は、以下のような精密分野に対応した多彩な製品を展開しています:

  • 研磨フィルム・液体研磨剤:HDDプラッタや光ファイバー端面、半導体ウェーハなどの超精密表面研磨に対応。形状・粒度制御された高均質砥粒による“ナノオーダー”の鏡面加工が可能。
  • プローブカードクリーニングシート:半導体検査工程での接触針(プローブ)の汚れ除去に使用され、業界屈指の耐摩耗性・低ダメージ性を実現。
  • 再帰性反射材「Ref Lite」:パリコレを中心にファッション業界にも採用され、再帰性反射機能を高める素材として拡張中。
  • IH粉体塗装・検査装置・レーザー剥離装置など:環境性と生産性を兼ね備えた装置・周辺機器を、国内外の製造現場に展開。経済産業省の補助金対象にも採択されている先進技術です。
Mipoxブランドの精密研磨フィルム製品の画像

受託事業:塗布・研磨のエンジニアリングサービス

マイポックスでは、顧客の素材や塗料を預かり、自社設備を使って製品化する「受託塗布・スリット」、または半導体ウェーハ等の精密研磨・検査を行う「受託研磨加工」を実施。用途に応じた加工条件設計から検査までをワンストップで対応することで、顧客の試作・量産ニーズに応えています。

機能性フィルムの受託製造イメージ・欠点検査装置をフィルムが通っている画像.jpg

技術力の源泉:「塗る・切る・磨く」の三位一体

Mipoxの競争力は3つの基幹技術の統合にあります。

  1. 塗る(Coating):微細分散・定着に優れた塗工技術により、砥粒や樹脂を均一にコーティング。異方性導電膜や光学フィルムなどへの応用も拡大。
  2. 切る(Slitting):端面からの発塵を許さない高精度スリット。硬く滑りやすいフィルムや複合基材にも対応。
  3. 磨く(Polishing):自社開発研磨材+専用研磨装置+検査装置による一貫プロセスで、鏡面研磨や表面粗さ制御に対応。
ウェハー接合の作業風景

次世代事業への挑戦:環境技術・半導体・モビリティ分野へ

IH粉体塗装技術による脱炭素対応

  • 溶剤を使わず、高周波誘導加熱(IH)による粉体塗装を実現。EV用バスバーやモーター部品の絶縁塗装において、省エネ・省スペース・VOCフリーの加工ラインを提供。
  • 装置・塗料・レーザー剥離などをワンパッケージで提供するソリューションが好評。

半導体分野

  • 8インチSiCウェーハ向け研磨装置の開発・販売。
  • NEDOとの連携によるキラー欠陥検出装置や加工シミュレーション技術の開発。
  • CMP(化学機械研磨)を含むプロセス受託に対応し、データセンター・AI向けのインフラを支える。

モビリティ領域

  • モータースポーツや自動車・二輪部品の微細研磨、絶縁塗装において新たな領域に進出。EV/FCV時代の製造ニーズに応えるソリューションを構築中。
マイポックス:偏光観察データと貫通転位密度のヒートマップ

業界ネットワークと情報発信:研磨ラボの取り組み

マイポックスでは自社の製品や技術の情報発信を行うためのオウンドメディアとして、
「研磨ラボ」を運営しています。
URL:https://www.mipox.co.jp/media/

このメディアでは、研磨に関する基本知識から応用技術、装置の選定ポイントや加工ノウハウまで幅広い情報を掲載しています。

マイポックス・研磨ラボのトップページ画像

会社情報

  • 社名:マイポックス株式会社
  • 本社所在地:〒322-0014 栃木県鹿沼市さつき町18(鹿沼事業所)
  • 設立:1925年(大正14年)
  • 証券コード:5381(東証スタンダード)
  • 事業内容:精密研磨材の製造・販売、受託研磨・塗布加工、環境対応装置の開発・販売
  • URL: https://www.mipox.co.jp
  • オウンドメディア(研磨ラボ): https://www.mipox.co.jp/media/

Polishing Hubでは、今後もマイポックス株式会社の最先端研磨技術や産業応用、研究開発動向に注目し、業界全体の技術進化を支える企業として継続的にご紹介してまいります。