近年、製造業では労働安全衛生の向上に対する取り組みが求められています。特に研磨・塗装・洗浄といった工程では、有機溶剤や半導体プロセスガスといった揮発性化学物質の使用が避けられず、作業者の健康被害リスクや設備火災の懸念が長年の課題となってきました。
このような背景のもと、「目に見えない有害ガスを“見える化”する」ことで注目を集めているのが、香川県高松市に拠点を置くディープテックスタートアップ、株式会社Soilookです。
可視化技術で保安検査に革新をもたらす「GASGRA」
Soilook社が開発したガス漏洩検査システム「GASGRA(ガスグラ)」は、有害ガスの漏洩をリアルタイムで検知・可視化するための革新的なツールです。
本システムは、赤外線カメラとWebベースの解析ソフトウェアから構成されており、アンモニア・メタン・プロパンなどのガスを、視覚的に「煙のような映像」で表示することができます。
特筆すべきは、1台あたり300〜500万円と比較的低コストでありながら、広角/望遠の2タイプにより広範囲または狭所の監視を選択可能である点。さらに、複数台を連携してクラウドまたはオンプレミスのWebシステムで一括管理ができるため、プラント全体の安全監視インフラとして導入可能です。

研磨業界におけるGASGRA活用の可能性
研磨業では、溶剤系バインダーや洗浄工程においてトルエン・アセトン・IPA(イソプロピルアルコール)などの有機溶剤が日常的に使用されており、その揮発による健康被害、引火・爆発リスクは常に潜在しています。
特に、以下のような製造環境ではGASGRAの導入が効果的です:
- 有機溶剤を用いたスラリー塗布設備
- 密閉性の低い古い排気設備を備えた研磨ライン
- 半導体用研磨(CMP)で使用される腐食性ガス
- 電池材料や超精密加工におけるナノパーティクル飛散管理
従来は「におい」や「作業者の経験」に頼っていたガス漏れの検知を、機械的・定量的に可視化することで、人的ミスの削減・定期保守の効率化・異常検知の早期化といった複数のメリットが得られます。

ガス検知からレポート出力・通知まで一括管理
GASGRAは、以下のような機能群により製造業務の効率化とガバナンス強化にも貢献します:
- 複数カメラによるマルチアングル監視
- Web画面でのリアルタイムグラフ表示
- アラート設定によるメール通知・自動レポート作成
- PoC(概念実証)提供やカスタマイズ開発にも対応
こうした柔軟な運用設計は、工場の既存インフラに無理なく組み込むことを可能にし、現場負荷の少ない導入が実現できます。

高まる規制と社会的責任に応える
国際的に化学物質の漏洩対策は厳格化しており、ISO14001やREACH、RoHS指令等の基準を満たすためにも、設備起因のガス漏れを抑制する可視化技術の導入は、ESG対応の観点からも急務です。 Soilook社は、こうした取り組みが評価され、経済産業省の「J-Startup WEST 2025」にも選定されました。技術的な独自性だけでなく、地域発の課題解決型スタートアップとしての社会的存在感も年々高まっています。
まとめ:研磨現場にこそ、Soilookの「目に見える安全」を
研磨工程は“素材の精度”を支えると同時に、“現場の安全性”を脅かす危険とも隣り合わせです。 Soilook社のGASGRAは、これまで曖昧だったガス漏れ検知の「視える化」を実現し、製造現場の安全・環境・品質向上を包括的に支援します。
「いつまで人が保安検査を行うのか?」という問いに、Soilookは技術で答えます。
企業情報
株式会社Soilook(ソイルック)
所在地:香川県高松市林町2217-44 ネクスト香川205号室
URL:https://soilook.com
製品名:GASGRA(ガスグラ)|ガス可視化カメラ+Webシステム