広島県福山市の静かな街並みにひっそりと佇むフクデン工業株式会社。1968年の創業以来、たった11名ほどの職人たちが、誰にも真似できない“電着製法”を軸に製品を作り続けています。

電着とは、金属の表面にダイヤモンドやCBN(立方晶窒化ホウ素)粒子を電気でしっかり固定する技術。この技術を洗練し続けた結果、顧客が求めるのは「安価で、でも確実な品質の工具」という、矛盾のように感じる要求にも見事に応える「ダイヤモンド工具のコストダウン」につながったのです。
その製品ラインナップは驚くほど幅広く、「ダイヤモンドヤスリ」は硬質材料に自由自在な研削を可能にし、「ダイヤモンド軸付砥石」は型成形前の極めて微細な修正に。「ダイヤモンドチップソー」に至っては、窯業系サイディングボードを業界トップクラスの切断スピードと寿命で対応するという、まさに“匠の切味”の世界。

さらに言えば、同社の工具は金型の仕上げから建築用サイディングの切断、農具や包丁の研ぎ直しまで、産業から日常まで、目には見えないけれど生活そのものを支える役割を果たしています。驚くべきは、母材を再電着し再利用可能という、持続性とコストメリットを兼ね備えた再生可能な加工体制があることです。
この工房で働く職人たちは、工具ひとつひとつに“命”を吹き込んでいます。その緻密な手作業こそが、小規模ながら技術集約型の強みとなり、「途上国では作り得ない精度」を誇る秘密です。
取引先には、農機具メーカー、ダイヤモンドツールメーカー、エアツールメーカーといった国内の著名企業が名を連ねています。これは、工具の信頼性と持続性への高い評価が、粘り強い実績と共に蓄積されてきたことの証です。

今後の挑戦として、素材・形状・用途の多様化という荒野の中を、「何ができるのか?」ではなく、「どうすればこの工具を通じて価値を提供できるか?」という問いを胸に、フクデン工業は歩みを続けることでしょう。
まとめに代えて
フクデン工業は、小さな職人集団による精密技術の結晶であり、「どこにもない工具」を作る、一種の職人の王国です。地味で細かな世界ですが、そこで育まれる技術と思想が、多様な産業や暮らしに静かに寄り添っています。
企業名 フクデン工業株式会社
代表者名 藤井義三(ふじいよしぞう)
所在地 〒720-0092 広島県福山市山手町三丁目8番10号
TEL 084-951-0730
FAX 084-951-2877
メールアドレス info@fkd-industry.co.jp