サイクラーズ株式会社とは

東京・大田区を拠点とするサイクラーズ株式会社は、資源循環を軸にした事業を展開する企業です。資源リサイクル事業とサーキュラーソリューション事業の2本柱で、廃棄されるはずだった製品や素材を再び社会に活かす仕組みを構築しています。

サイクラーズアイキャッチ
サイクラーズ・事業内容写真

1902年の創業から現在はグループ全体で約390名の体制を整え、千葉県には高度化選別を可能にするようなリサイクル設備を構えるなど、着実に事業基盤を拡大。単なる廃棄物処理にとどまらず、「環境負荷の少ない順番にリサイクル手段を提供する」という姿勢を明確に打ち出している点に特徴があります。

“循環”をデザインする

同社が重視するのは、資源をただ回収するだけではなく、本来は廃棄されるものに新たなデザインを与え、どのように循環させていくかを考える視点です。素材の見極め方、、廃棄を生まない循環の仕組みづくり。いずれも製造業に深く関わるテーマであり、表面仕上げやメンテナンスといった“磨く”技術とも密接に関係しています。

例えば、再生素材の表面品質は使用者の評価に直結します。小さな傷や汚れを取り除き、元の素材が持つ光沢や風合いを蘇らせることができるか。その仕上げの精度こそ、循環ビジネスを成立させるカギと言えるでしょう。

サイクラーズ・事業内容写真・木工家具の研磨作業風景

enloop──モノと人の縁をつなぐブランド

サイクラーズが立ち上げたブランド「enloop」は、その名の通り“縁をループさせる”ことをコンセプトとしています。本来なら廃棄されてしまうモノに向き合い、デザインの力で新しい価値を吹き込む。リメイクやアップサイクルを通じて、モノに再び命を与える取り組みです。

特筆すべきは、デザイナーや美術系バックグラウンドを持つ人材が参画している点です。彫刻や工芸の感覚を生かし、素材の持ち味を尊重しながら新たな形へと磨き上げる。単なる機能回復ではなく、アートと実用を融合させたアプローチが、enloop独自の魅力を生み出しています。

サイクラーズ・事業内容写真・取り扱い木工家具の写真

“磨く技術”が循環を支える

リメイクやアップサイクルの現場では、研磨・仕上げの技術が不可欠です。木材の天板を削り直して滑らかに仕上げる。金属部材のサビを落とし、再塗装に耐える表面を整える。こうした一つひとつの工程が、製品に「もう一度使いたい」と思わせる力を宿します。

サイクラーズとenloopの挑戦は、製造現場や研磨業界にとっても示唆に富んでいます。循環型社会の実現には、単なる回収や処理ではなく、「いかに美しく蘇らせるか」という視点が不可欠です。まさに“磨く”技術が循環の質を決めると言えるでしょう。

サイクラーズ・事業内容写真・木工家具を研磨する画像

今後の展望

今後、サイクラーズは事業をさらに拡張し、より多様な素材・製品を対象とした循環ソリューションを提供していくことが期待されます。enloopを通じたアップサイクルの試みは、消費者の意識を変え、モノとの関わり方を問い直す契機となるでしょう。

Polishing Hub編集部としては、同社の取り組みが「磨く」技術の新しい可能性を示すものとして注目しています。資源を循環させるだけでなく、その過程で“価値を磨き上げる”──その姿勢こそが、未来のものづくりに不可欠な要素となるはずです。

enloopブランドロゴ 180x60