埼玉県川口市に本社を構える三立精機株式会社は、昭和29年(1954年)創業の精密加工機器メーカーである。ものづくりの街"川口"に根ざし、光学・通信機器・電子部品向けの研磨機・研削機・各種専用加工機を70年にわたって製造してきた。

同社が手がけるのは、レンズやサファイア、光ファイバーなど幅広い工業製品向けの加工機器だ。国内の大手光学・電子部品メーカーはもとより、中国・東南アジア・ヨーロッパなど海外にも顧客を抱えるグローバルな展開力を持つ。近年では特に、車載カメラや内視鏡に用いられる微小径レンズの芯取り機に定評があり、川口商工会議所が認定する「川口i-mono(いいもの)ブランド」にも選ばれている。本記事では、三立精機の事業内容と製品ラインナップ、その技術的特長を紹介する。

📍 川口市 🗓 1954年創業 🏆 川口i-monoブランド認定 🌏 海外7ヶ国に実績

目次

  1. 三立精機の強み ── 他に類例の無い特殊性の追求
  2. 主力製品ラインナップ
  3. 「川口i-monoブランド」認定 ── 微小径レンズ用芯取り機
  4. 主な取引先と海外展開
  5. 沿革 ── 70年の技術蓄積
  6. まとめ

三立精機の強み ── 他に類例の無い特殊性の追求

三立精機の事業の核は、精密加工機器の開発・製造における「他に類例の無い特殊性」の追求にある。同社が取り扱う加工対象は、サファイア・光学ガラス・CaF2(フッ化カルシウム)・セラミックス・シリコン・ゲルマニウムなど、いずれも一般的な金属加工とは異なる高い難易度を伴う素材だ。

これらの素材に対して、品質・性能・信頼性のすべてに優れた研磨加工装置を製造・販売し、技術指導までを一貫して提供している点が、三立精機の競争力の源泉である。個別の顧客ニーズに合わせたカスタム対応も同社の大きな特徴であり、汎用機ではカバーしきれない加工要件にきめ細かく応える体制を築いている。

三立精機_教育画像
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難加工素材への対応力
サファイア・CaF2・セラミックス・シリコン・ゲルマニウムなど、高硬度・脆性材料の加工に特化した装置を開発。
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カスタム設計対応
個別の顧客ニーズに合わせた機器を製造。汎用機では対応できない加工要件にきめ細かく応える。
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グローバル展開
中国・台湾・韓国・フィリピン・タイ・ドイツ・シンガポールなど、海外にも幅広い顧客基盤を持つ。
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省人化への取り組み
産業用ロボットメーカーと協業し、様々な分野での省人化を実現する機器やシステムの開発に注力。

主力製品ラインナップ

三立精機の製品群は、切断・芯取り・研磨・研削の各工程をカバーする多様なラインナップで構成されている。以下に主要な製品を紹介する。

自動切断機 SSS(Automatic Sawing Machine)
自動切断機
独自のトルク制御方式により安全性・切断品質・工具寿命の安定化を同時に実現する装置だ。送り速度をリアルタイムでトルクにフィードバック制御することで、オペレーターの熟練度によらず均一な切断面を得られる(特許申請準備中)。
芯取り・ウェハ面取り機
芯取り・ウェハ面取り機
光学レンズの芯取り、水晶ウェハ・サファイアウェハ・SiCウェハなどの外径加工と面取りを高精度に行う。独自の切り込み機構がチッピングの発生を防止し、カム倣い加工方式により様々な形状に対応可能。6インチまでのワークに対応する。
ブラシ研磨機 VPM-1 / VPM-1-V
ブラシ研磨機
ブラシを使用するエッジ研磨機。サファイア、フェルール、水晶などの部品のエッジをR面取り(研磨)加工する。VPM-1-Vはブラシを回転・上下振動させるバイブレーション式で、フェルールの端面研磨に使用する。
サファイア外径加工機
サファイア外径加工機
サファイアガラスの芯取り・面取り専用機。粗研削と仕上げ研削の2段加工を連続して行える。独自の等圧切込み機構によりチッピングを防止。高剛性設計ながらテーブル上に設置できるコンパクト設計。カム倣い加工方式により異形ワークの外形成型にも対応する。
平面研磨機 SLM-2
平面研磨機 SLM-2
片面の高精度ラップ機。サファイア、セラミックス、サファイアウェハなどの表面を短時間で研磨可能。オプションで定盤修正装置(フェーシング)、スラリ供給装置を装備できる。
ファイバー・端面研磨機 FPM-3B / FPM-2
ファイバー・端面研磨機
固定砥粒のみで被研削物の端面を鏡面加工する研磨機。FPM-3Bは3種類の砥石を使用する3軸式、FPM-2は2種類の砥石を使用する2軸式。遊離砥粒を使用しないため環境を汚さず、光ファイバーの端面研磨に最適。
POINT

三立精機の製品に共通する特長は、「独自の切り込み機構」や「等圧切込み機構」といった自社開発技術によるチッピング防止と、「カム倣い加工方式」による多形状対応力にある。研磨・研削プロセスにおいて、加工精度と素材保護を両立する設計思想が一貫している。

「川口i-monoブランド」認定 ── 微小径レンズ用芯取り機

三立精機の技術力を象徴するのが、微小径レンズ用芯取り機の「川口i-mono(いいもの)ブランド」認定だ。川口i-monoブランドとは、川口商工会議所が市内の優れた技術を持つ企業の製品を選定・認定する制度であり、平成30年(2018年)に同社の製品が認定を受けている。

川口i-monoブランド認定

車載カメラや内視鏡に用いられる微小径レンズは、極めて高い加工精度が求められる。三立精機の芯取り機は、この精度要求に応える独自技術を備えており、川口市を代表する技術製品として認定された。

車載カメラの普及拡大や内視鏡の高精細化に伴い、微小径レンズの需要は年々高まっている。このトレンドの中で、同社の芯取り機は光学業界において不可欠な加工装置として位置づけられている。

主な取引先と海外展開

三立精機の取引先には、日本を代表する光学・電子部品メーカーが名を連ねている。

オリンパス ニコン キヤノン HOYA 日亜化学工業 セイコーエプソン セイコーインスツル 京セラ 村田製作所

また、海外展開も積極的に進めており、アジアを中心にヨーロッパにも顧客を持つ。

🇨🇳 中国 🇹🇼 台湾 🇰🇷 韓国 🇵🇭 フィリピン 🇹🇭 タイ 🇩🇪 ドイツ 🇸🇬 シンガポール

近年では、産業用ロボットメーカーとの協業による省人化システムの開発にも取り組んでおり、精密加工機器の枠を超えた新たな価値提供にも挑戦している。

国内拠点から海外拠点

沿革 ── 70年の技術蓄積

昭和29年(1954年)
三立精機株式会社創立
平成19年(2007年)
川口市朝日に工場移転
平成30年(2018年)
微小径レンズ用芯取り機が「川口i-monoブランド」に認定

創業から70年以上にわたり、精密加工機器ひと筋で技術を磨き続けてきた三立精機。「長年培った技術と開拓精神で、幅広い産業を陰ながら支える会社でありたい」——同社が掲げるこの理念は、現在の事業活動にも色濃く反映されている。

三立精機_内観画像

まとめ

三立精機株式会社は、サファイア・光学ガラス・セラミックスなどの難加工素材に特化した精密加工機器を開発・製造するメーカーだ。微小径レンズ用芯取り機で「川口i-monoブランド」認定を受けた技術力、オリンパス・ニコン・キヤノンをはじめとする大手光学メーカーとの取引実績、そして中国からヨーロッパまでのグローバルな顧客基盤が、同社の実力を裏付けている。

産業用ロボットメーカーとの協業による省人化への取り組みにも見られるように、三立精機は精密加工機器の専門メーカーとして進化を続けている。光学・電子部品産業の高精度化が進むなかで、同社が培ってきた「他に類例の無い特殊性」は、今後ますます価値を増すことになるだろう。

🏭 企業情報|三立精機株式会社
企業名 三立精機株式会社(Sanritsu Seiki Co., Ltd.)
所在地 〒332-0001 埼玉県川口市朝日1-4-11
創業 昭和29年(1954年)4月
資本金 1,500万円
代表者 代表取締役 加藤 剛
主な事業内容 精密加工機器の開発・製造(切断機・研磨機・研削機・芯取り機・ウェハ面取り機・光ファイバー研磨装置等)
公式サイト http://www.sanritsu-seiki.co.jp/
備考 微小径レンズ用芯取り機が「川口i-monoブランド」認定。海外実績:中国・台湾・韓国・フィリピン・タイ・ドイツ・シンガポール